新型コロナウイルスの感染拡大に伴い出された「緊急事態宣言」では、市民に対し不要不急の外出自粛への協力が求められています。武蔵小山の現状と、今後更に外出自粛を強化するための対策を考えました。

武蔵小山の「自粛」の現状

人出が大幅に減少していると報じられている渋谷・新宿などの繁華街に対し、武蔵小山や戸越銀座エリアはそれほど人出が減っていないとの指摘があります。なぜそれほど人出が減っていないと言われるのか、その原因を分析します。

(土日)昼は2~3割減、夜は3分の1程度

緊急事態宣言が出された4月6日以降の武蔵小山に対して、「人出が以前と全く変わっていない」などとする指摘がSNS等に一部寄せられていますが、それは事実とは異なります。

「全く減っていない」と指摘する投稿と共に上げられている写真や動画を見る限り、昼間の人出は平時の同じ曜日・時間帯と比較して2~3割程度減少しているように見えます(4月11・12日など)

2020年4月11日 夜9時 マクドナルド付近

また、私は平時から夜9時台に界隈を毎日散歩していますが、この時間帯に限っては人出は3分の1以下、いや少なすぎて平時と比較出来ないほど減少していると感じます。

更に、4月13日(月)夕方に投稿された画像(Twitter)では平時と比較して8割程度減少していることが見てとれます。

とはいえ、休日昼間に「人混み」が発生していたのは事実であり、更なる自粛の強化が必要であることは、私を含め多くの人が感じていることだと思います。

人出が「激減」しない理由

では、なぜ武蔵小山の昼間の人出が大きく減少しないのか。解決策を考えるために、まずはその原因を考えてみましょう(主にパルム商店街の人通りを念頭に考察します)

生活必需品の買い出し需要

武蔵小山周辺にはドラッグストアが6店舗(パルム内 外にも数店舗)、スーパーはエリア周辺に5店舗(小型店を除く)、100円ショップ3店舗など、日常生活を維持する上で欠かすことの出来ない商品を供給している店が多数存在します。

外出などを自粛したからといって、食事をする必要が無くなるわけではありません。こうした商品への需要を満たす店舗が武蔵小山界隈に集中していることから、少なくない人が毎日買い物に集まっている側面があります。

在宅勤務・休校休園による日常消費の増加

学校の休校や保育園の休園、また在宅勤務の増加に伴い自宅に留まる時間が長くなっています。武蔵小山周辺は住宅密集地であり、昼間人口が平時と比べて大幅に増えているものと考えられます。

自宅で過ごすにあたっては、これまでに無かった消費への需要が生まれます。例えば昼ごはんを都心の職場近くの店で食べていた人が在宅勤務で武蔵小山の自宅に留まった場合、スーパーで調達した食材を自分で調理をするか、あるいは武蔵小山界隈でテイクアウトや外食をすることになります。また、トイレットペーパーなども普段より多く消費することになります。

更に、これまで通勤通学途中、あるいは昼休みに職場近くの店で購入していた日用品についても、自宅周辺で調達する必要があり、こうした要因が武蔵小山界隈の消費を増加させ、結果として人出を増やしている側面があるのではないでしょうか。

1日5.4万人が利用する武蔵小山駅

武蔵小山駅の1日の乗降客数は5.4万人、内3万人が「定期利用」の旅客です。往復での利用が中心とすると、毎日約1.5万人が武蔵小山から通勤通学、あるいは武蔵小山の職場や学校に通っています。

仮に10%が在宅勤務や休校で武蔵小山に留まると、武蔵小山の昼間人口は1500人増えます。駅前のタワーマンション(41階建て)は624戸、日本の平均世帯人数2.47人で計算すると1541人ですから、満室のタワマン一棟分の人口が増える計算です。

武蔵小山のタワーマンション群

店舗の営業時間短縮による集中

武蔵小山においてもゲームセンターや居酒屋、旅行代理店、マッサージ店、携帯電話ショップなど少なくない店が「休業」に協力しています。

一方、日常生活に必要な商品を販売するスーパーやドラッグストアについても、営業時間を短縮している店が目立ちます。例えばコクミンドラッグは平日夜22時まで営業していましたが、21時までとなっています(記事執筆時点)

スーパーに関しても、駅上の東急ストアは通常深夜1時までの営業を21時までと大幅に切り上げています(13日以降は22時までに延長)

私自身、普段は夜9時過ぎにコクミンドラッグで必要なものを購入していましたが、現在は9時で閉店してしまうため止む無く昼間に買いに行っており、昼間の人出を増やす要因となってしまっています。

夜間の人出が大幅に減少して売上が見込めない点や、休校・休園による労働力不足などの背景があるため、店舗に営業時間の延長を求めるのは難しいでしょう。

移動のための通行需要

パルム商店街は買い物だけでなく、通勤通学など移動のための「道」としての機能も持っています。信号が無く、また歩行者専用道路となっているため歩きやすいこと、周辺道路の歩道が狭く歩きづらいことから歩行者が集中しやすいと言えます。

もっと減らしていくために出来ることは?

以上の要因をふまえて、更に人出を減らして感染拡大を阻止するためには何が出来るのか、具体策を考えてみました。

「まとめ買い」で買い物の頻度を減らす

「買いだめ」についてメディアなどで批判的に取り上げられていたことは、まだ記憶に新しいでしょう。必要な商品が必要な人に行き渡らなくなる原因となります。

とはいえ、毎日必要なものを少量ずつ購入していては、買い物の頻度を減らすことは出来ません。例えば生鮮品を毎日購入していた場合は、2日分まとめて購入するなどすれば、買い物の頻度を減らすことが出来ます。

買い物は家族につき一人で

特に土日は家族総出で買い物をする光景が武蔵小山界隈でも多く見られました。出かける人数が増えればそれだけ街の人出が増えてしまいますし、会話が生まれることで周囲に感染を拡げるリスクも高まります。

生活必需品の買い出しについては、可能な限り「一人で」行くように心がけることが大事なのではないでしょうか。小池都知事も以下のように呼びかけています。

とはいえ小さな子供を家に残したまま外出するのは難しいですし、ベビーカーを押したまま大きな荷物を運ぶのも大変です。可能な範囲で人を減らしていきたいものです。また、多人数で買い物に出かけている人には何かの事情があるのかもしれないので、決して非難することのないようにしたいものです。

ネットスーパーやネット通販の活用

武蔵小山周辺は「ネットスーパー」の宅配エリア内です。我が家でも以前からイオンネットスーパーヨーカドーのネットスーパー東急ストアのネットスーパーを利用しています。生鮮品も自宅にいながらにして受け取ることが出来るので、外出を減らすことが出来ます。

ただし、昨今は利用者が急増しているせいか注文しづらい状況が続いており、積極的な利用が難しいのも現実です。

また、ネット通販についても宅配便需要が大幅に増加しており、現場が疲弊しているとの声も耳にします。我が家ではいつも時間指定無しで配達してもらっていますが、ヤマト運輸・佐川急便ともに以前よりも荷物が届く時間帯が遅くなっていますし、夜9時過ぎに街で配達の人の姿を見かける機会が非常に増えています。

ネット通販やネットスーパーについても、出来る限り利用頻度を減らし、まとめ買いを心がける、また不要不急の買い物を先送りにするなどの配慮が必要なのではないでしょうか。

アプリでミールキットなどを注文できる「ローソンフレッシュピック」もおすすめです。ミールキットとしては価格がお手頃、ローソンのレジでの受け渡しなので送料無料で手軽に利用できるサービスです。

ローソンフレッシュピックのチラシ

行き先と買うモノを事前に決めて家を出る

「どこで何を買うのか」を家を出る前に予めメモに書くなどして決めておくと、移動や買い物の時間を短縮出来ます。また、余計なものを買いにくくなるため節約にもなります。

時間・場所をずらす

混雑しているところでは感染リスクが高まります。出来る限り、混雑する場所や時間帯を外す工夫も必要なのではないでしょうか。

例えば駅上の東急ストアよりもパルム商店街の東急ストアの方が空いていますし、あるいは武蔵小山からは少し遠くなりますが碑文谷のイオンは夜21時を過ぎるとガラガラです(1・2階は平常通り22時まで営業) ただし遅い時間帯に行くと鮮魚やお惣菜はほとんど買えません。

また、ミニスーパーは23時や24時まで、あるいは24時間営業なので遅い時間帯や早朝に行くことで、密集を避けることが出来るでしょう。武蔵小山周辺にはミニピアゴまいばすけっとローソンストア100があります。

イオン碑文谷は武蔵小山駅から自転車で15分

混雑する場所を迂回して通行する

パルム商店街や一番通り商店街など、武蔵小山周辺でも特に混雑しやすい場所があります。そうしたところを出来る限り避けて通行することも、有効でしょう。

一先ず、買い物ではなく散歩が目的の場合は、混雑する時間帯のパルム商店街や一番通り商店街などは避けていただくようにお願いします。夜9時以降などは人が非常に少ないので、こうした時間帯であれば問題は無いでしょう。

テイクアウトの活用

外食をするよりも、テイクアウトを利用して自宅で食べた方が他者との接触を減らすことが出来ます。

その際、利用する店は事前に決めてから家を出た方が良いです。また、昨今は飲食店の営業時間が流動的になっているため、目当ての店がやっていなかった時の「プランB」まで考えておくと、なお良いです。

Beef Factory73 「焼肉弁当」

武蔵小山界隈でも非常に多くの店がテイクアウトを始めています。一部を武蔵小山周辺のテイクアウトグルメの一覧で紹介しているので、参考にしてください。UberEatsも便利です。

事前に電話などで注文を受け付けてくれる店もあるので、家を出る前に注文すれば滞在時間を最大限短くすることが出来ます。

混雑カレンダー

武蔵小山が特に混雑しやすい条件は以下のとおり。

  • 土日祝日
  • 昼間
  • 雨が止んだ後

例えば土曜日に雨が降っていた翌日の日曜日の昼間は人が集まりやすいです。人が少ない条件は以下のとおり。

  • 平日
  • 雨など天気の悪い日

特に最近は夜の人通りが著しく減少しており、遅い時間帯まで店を開けてくれているスーパーやドラッグストアも空いています。

出来る範囲での協力を。

武蔵小山周辺は人口過密エリアであるため、多くの人が自粛を心がけていても、人出を大きく減らすには至っていないのが現状です。乾いた雑巾を絞るような状況になってしまいますが、出来る範囲で更なる協力をお願いしたいです。

一方、外出している人にはそれぞれ、周りからは分からない「やむを得ない」事情があるのかもしれません。出歩いている他人を非難することはやめてほしいです。